先日、また素敵なおふたりとご家族の結婚式をお手伝いさせて頂きました。
今から約2週間前。当館へ結婚式をあげたいんです!とお電話を下さったのは新婦様。
新婦さんは現在東京にお住まい。お付合いしている彼も東京。すぐにこれる距離ではありませでした。
週末を利用して佐久にお越しいただきご事情をお伺いすると、新婦様のお父様は肺がんステージ4。
父の容態が急変し、最近あまり体調もよくない・・・
父が少しでも元気なうちに。幸せになって父を安心させたい・・・花嫁姿を見せてあげたい。という新婦様と新婦様のお母様の想いでした。

徐々に体力が落ち、声もかすれて小さな声でしか話せなくなっていった様。何とかして父に花嫁姿を見せたい。
しかし、偽物の花嫁姿では意味がない。様々な課題もあります。当日も父の体調によっては来れるか分からない・・・。
急遽きめた結婚。お互いの両親にはまだ顔を合わせていなかったため挨拶もまだ・・・
新婦様と新郎様は関東に暮らし、新婦様の実家は佐久。そして新郎様の実家と住まいは新潟。
皆初めて結婚式を迎える日に会うという・・・

私たちスタッフはもちろんお父様の出席を願いながら、2週間後の結婚式を全力でサポートする為どんな状況にも対応出来る様
お父様が入院されている病院のスタッフの方とも連絡を取りながら当日を迎えました。

結婚式当日・・・平日の火曜日
新郎様のご家族様が新潟から佐久に到着。初めて会う新婦様のご家族。不安と緊張・・・そして喜び・・・
新婦のお父様は看護師さん付き添いのなかご出席していただくことが出来ました。
酸素を送り込む為のチューブも留置されていましたが、お父様は久しぶりに会う自分の兄弟、初めて合う娘の恋人の家族・・・
少しでも普段と変らぬ自分をみて欲しいとの思いがあったのでしょう・・・チューブをはずし自分の足で歩きご対面されていました。

挙式のリハーサルも体調も見ながらゆっくり進み、
私はお父様に伺いました
「お父様。新婦様とのバージンロード。このまま車椅子で歩まれますか?それともご自身の足でゆっくりと歩みますか?」
お父様は…「よし!歩いてみようか」
本当は自分の足で歩くことも辛かったと思います。でも娘の為に!来てくれた皆の為に!そんな想いがお父様を奮起させていたと思います

挙式終了後、お父様は休むため病院に戻られました。お父様を乗せた車が見えなくなるまで新婦様新郎様。家族全員がお見送りしました。

お父様に晴れ姿をプレゼントしたはずが、かけがえのない贈り物をもらってしまった様に感じました。
親の偉大さ、愛情を改めて知った。新しい家族が増えこの婚約式のような感動の体験を多くの人に味わってもらいたい。
「病気になったからこそ感動的な体験ができた」と思えるほど、前向きに最期まで希望を持ってほしい。
私は、プランナーとしての枠を超えて多くの方に感動を提供し続けると決めました。
親に育てられ、いつか自分も親になり、そしてわが子が親になり、そうやって繋げていく命のバトン。
落とさないように、支えあうのが家族というものなのかもしれません。

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